ニトリデコホーム 吉祥寺店
ニトリ「デコホーム」吉祥寺店がヨドバシカメラ6階に10月29日(水)オープンしました。
ヨドバシカメラマルチメディア館ビルの上階(6~8階)は他社テナントが入居しています。
7階フロアはユニクロが中道通り新店移転のための8月に閉店しました。その後にテナントの入れ替えがありました。
このビルは近鉄百貨店が撤退後に三越百貨店、大塚家具が入居しました。
ビルの所有者も米系ファンドのロースターから日系のヒューリック変わりました。失われた20年の日本経済を物語る物件のようにも思います。
今回オープンする「デコホーム」はニトリの小型店です。
日経新聞11月28日の記事によれば...
販売床面積が小さいため、原則として家具の取り扱いはせずに寝具、食器などのインテリア用品を中心に販売しています。
これらは販売頻度が高いため、テナント料の高い場所でもコンスタントに日銭が稼げるメリットがあります。
目玉商品として
〇ひもなしらくらく掛け布団カバー(税別2848円~)
〇温度調整掛ふとん(同上7393円)
などが通常の大型ニトリ店で売れているため、これらを重点的に陳列販売するようです。
今後に「デコホーム」の出店が100店まで増えればオリジナル商品の開発を視野にいれる模様。
「デコホーム」は都内では多摩センター、玉川上水、聖蹟桜ヶ丘の商業ビルにテナント出店しています。
これから東京23区の都心に「デコホーム」を中心に出店を加速する予定。今後は500店舗を国内全国に出店余地があるとの予想です。
現在ニトリの日本全国の店舗数は約300店ですが、地方では隣接したニトリの店舗がお互いに競争する飽和状態です。
そのため比較的出店余地のある都心の小さな店舗(デコホーム)に重点を置いていると思います。
これはユニクロや無印良品の小型店舗が駅の構内など多く見られるようになってことから良く分かります。
伊勢丹吉祥寺店閉店後のビル(コピス吉祥寺)の後継テナントとしての出店を僕は予想してました。
今回ニトリ「デコホーム」が入るビルには2000年代前半は三越百貨店と大塚家具が入っていました。
興味深いのは大塚家具は「高級家具」のお店だったことです。食品中心の三越と共に短い期間で撤退しました。
その後に吉祥寺では南海屋、ミヤケなど昔からあるインテリア家具のお店が閉店しています。
大型家具販売は広い販売面積を必要とするため、テナント料の高いビルでは利益が出にくい事は素人的にも分かります。
消費増税や天候の影響で軒並み売上を落とした各量販店を横目に先日のニトリの四半期決算は増収、増益でした。
日経新聞や経済誌では円安もあり、ニトリは従来よりも少し高いマットレス、ソファーの販売を始めてから客単価も約5%ほど上昇しているとの事。
これにはカラクリがあり、ニトリは「値下げ宣言」の宣伝で『デフレの寵児』として有名になったため、消費者は安いとの思い込みを持って買い物に行きます。
郊外型のお店の場合は「目的買い」で足を運んでいる都合上、比較する店舗が近くにない事と値下げしない商品といっしょに陳列しているので抵抗が少なく買ってしまう気がします。
先日の経済誌では価値のある商品はそれなりの価格設定をしているとの似鳥社長のインタビュー記事が掲載されていました。